ちょっとした気の緩みが大きな問題につながるかも?「割れ窓理論」 ワクワク経営コラム【第12回】

皆さま、こんにちは!
スノウコンサルティングの古屋早雪です。

これは冒険の途中で立ち寄った、ある国でのお話。

この国では数年前からスリや強盗が多発し、大変治安が悪化していました。
王様に話を聞くと、取り締まりを強化するなど対策を取っているが、なかなか状況がよくならないとのこと。
兵士たちも警備に精を出してならず者たちを次々に捕らえていますが、犯罪は減るどころか増えるばかりです。

そこで、お城の人たちから話を聞くと、意外な事実が浮かび上がってきました。
なんと、一部の兵士たちが犯罪者からお金(わいろ)を受け取り、犯行を見逃していたのです!
兵士たちに聞くと、他の兵士がやっていたから大丈夫だと思ってやったと言います。
そして、最初にわいろを受け取った兵士は、相手は初犯のスリで反省もしていたし、1回だけなら大した問題にはならないと思って受け取ってしまったというのです。

この事実を王様に伝えたところ、王様はわいろ受取禁止の厳命を下し、対処に動き始めました。
もちろん、元からわいろの受取禁止の規則はありましたが、わいろ受取の事実を見つけ出すことは難しく、この規則は名ばかりのものとなっていました。
王様自ら、「わいろの受取」が犯罪助長につながる、現在の治安悪化につながっているということを兵士たちに根気よく話し、「犯罪のない安全な国」という未来像を示すことでわいろを受け取る兵士はいなくなり、犯罪は徐々に減っていきました。

この国で犯罪が増えていたのは、捕まってもわいろを渡せば見逃してもらえる、と考えて安易に犯行に手を染める者が多かったからです。
そして、わいろ受取は「1回だけなら大丈夫」という1人の過ちから始まっていました。
ほんの些細な気の緩みが、大きな社会不安につながってしまったのです。

これは、「割れ窓理論」と呼ばれています。
簡単に言うと、町の中に割れた窓を放置している家があると、この町はこの地域の現状に注意を払っていないという意識が生まれ、犯罪が増えるという理屈です。

このことは、経営においても同じことが言えます。
自分だけならいいだろう、と組織のルールを守らない社員がいれば、やがては皆がルールを守らなくなります。
ましてや、トップは自分の決めたルールを少しでも守っていないと思われたら、誰もルールを守ろうとは思いません。
自分だけは特権を持っていると思ってはいけません。
経営者が率先してルールを守るという見本を見せましょう。
また、「ルールを守っていない」という誤解をあたえるようなことも避けましょう。

一人一人が小さなことに気を向けること、そして何よりも経営者自身が「ほころびの芽」を見つけ摘み取ることが必要です。

小さな問題を早めに見つけ出し、皆でワクワクする未来を目指せる組織を作りましょう♪

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