皆さま、こんにちは!
ワクワク経営ナビゲーターの古屋早雪です。
あなたの商品やサービスを、お客様はすぐに使えますか?
そして、間違えることなく使うことができますか?
それとも、マニュアルをよく読まないと使うのは難しいですか?
もちろん、使うことの難しい、使い方を間違えると危険な商品やサービスもたくさんあります。
もしお客様が、間違った使い方をしてお客様が不幸になったとしたら、それはお客様の責任でしょうか?
でもせっかく良い商品やサービスを提供して、お客様もそれを買ってくれたなら、その商品が原因で不幸になってしまうことは避けたいですよね。
お客様が間違った使い方をしない方法として、詳細なマニュアルを付属する、使い方のレクチャーサービスを実施するなどの方法があります。
しかし、お客様はマニュアルを読まないかもしれないし、レクチャーも理解していない可能性があります。
では、他にどんな方法があるでしょうか?
このヒントは、今や日本のRPGの代表とも言えるドラゴンクエストシリーズの第一作、今から35年前の1986年に発売されたファミコンソフト「ドラゴンクエスト」にあります。
このドラゴンクエストの制作裏話が描かれた漫画「ドラゴンクエストへの道」の一節です。
当時、RPGといえば操作方法や道具の使い方、敵との戦い方など、説明書をよく読まないとろくにプレイできないのが当たり前でした。
しかし、製作者の堀井雄二氏は、自分がプレイする時は分厚い説明書なんか読みたくない、初めてRPGをプレイする小学生が説明書を読まなくても遊べるようにしたいということで直感的な操作方法で誰でも簡単に遊べる工夫を凝らしました。
ところが、実際にテストプレイした子供は、何も知らずに自由に歩き回った結果、武器を装備するという概念や戦い方も知らないため、敵にやられてしまい、こんなすぐやられてしまうゲームは面白くないとなってしまいます。
そこで、主人公である勇者の出発地点を王様の部屋にして、王様との会話からゲームが始まり、さらに部屋にカギをかけることで、外に出る前に部屋の中で主要な操作方法を覚えることができる設計にしたのです。
これは当時としては画期的であり、RPGを知らない小学生でも、説明書を読むことなく遊ぶことができるゲームとなりました。
これはドラゴンクエストが広く一般に受け入れられるようになった一つの要因であるとも言えます。
このように、お客様が「マニュアルを読んでいなくても」「レクチャーしていなくても」そもそも間違えない仕組みとして商品を設計しておく考え方が経営にもあります。
これを「フールプルーフ」と言い、以前お伝えした「フェールセーフ」と同様、人は間違えるということを前提に、たとえよく知らない人が使っても、正しく安全に使用できることを目指した設計思想です。
身近なところでは、パソコンのファイルを閉じるときに、変更して保存してなければ「保存しますか?」という確認メッセージが出ますよね。
これは、間違って保存しないで閉じてしまうことがないように設計した「フールプルーフ」のひとつの例です。
是非、あなたの商品が誰でも安全に正しく使えるようになっているかどうか考えてみてくださいね(^-^)