分からないことは分解して考えよう!「売上高の分解」 ワクワク経営コラム【第97回】

皆さま、こんにちは!
ワクワク経営ナビゲーターの古屋早雪です。

冒険の途中で、古代文明の遺産なのか、宇宙からの飛来物なのか、はたまた未知の種族による製造物なのか、何らかの「誰かが作ったもののようだが、よくわからないもの」を見つけることがありますよね。
自分たちは見たことがないので、それが何で何のために作られた、何に使うものなのか分かりません。
しかし、研究者や道具の使い方に詳しい仲間が、これを分解してその謎を解き明かしたり、失われた技術を復活させたりすることがあります。
つまり、そのままでは何かわからないものでも、分解してみることで分かる、ということですが、これは現実の経営でも同じことが言えます。
例えば、経営を続けていく上で重要性の高い「売上高」について考えてみましょう。
売上高は、多くの業種では以下の式で分解することができます。

売上高=(平均)客単価×客数

客単価については、お客様や案件ごとに差が大きく、実際の認識と差が出る場合もありますが、とくかく全体の売上高を客数で割った平均客単価が分析する上では有効です。
次に、この客単価や客数をさらに分解していきます。
今回は、スーパーやコンビニのような、店内をお客様が見て回り購入する商品を選ぶタイプの店舗の場合を想定します。

そして、客単価は以下の式で分解することができます。

客単価=(平均)商品単価×買上数

例えば、100円のお菓子を3つと500円のお弁当を買って、合計800円の場合、買上数が4つなので、平均商品単価は200円になります。

この買上数は、以下のように分解できます。

買上数=買上品目数×1種類当たり(平均)購入数

この1種類当たり購入数というのは、同じ商品をまとめていくつ買ったかというものです。
たとえば、みかん7個、りんご3個、メロン2個を買ったとすると、品目数は3、1種類当たり平均購入数は4個となります。

買上品目数は、以下のように分解できます。

買上品目数=視認品目数×買上率

視認品目数は、1人のお客様が何種類の商品を見て認識したかというものです。
買上率は、そのうちどれだけの割合で購入したかの割合を表します。
たとえば、米、魚、肉、キャベツ、トマトの5種類を見たとして、そのうち米と肉を購入した場合は、買上率は5分の2で40%となります。

視認品目数は以下のように分解できます。

視認商品数=立寄売場品目数×視認率

立寄売場品目数は、全ての立寄った先の売場に陳列された商品の品目総数を表します。
売場と言うのは、たとえばスーパーの肉売場、魚売場と言ったカテゴリー別の売場の他、コンビニなどでは「棚」を1つの売場とみなすことができます。
視認率の考え方は、買上率の場合と同様です。

立寄売場品目数は、以下のように分解できます。

立寄売場品目数=立寄売場数×売場当たり(平均)品目数

売場当たり品目数というのは、例えば肉売場に牛のバラ肉や鶏のむね肉など、いくつの品目があるかということですよね。
この立寄売場数と売場当たり品目数の考え方は、買上品目数と1種類当たり購入数の場合と同様です。

立寄売場数は、以下のように分解できます。

立寄売場数=動線長×立寄率

動線長には様々な考え方がありますが、簡便にするためここでは「お客様が店内で通過した動線の中にいくつの売場があったか」を表すことにします。
そうすると、動線内にあった売り場のうち、いくつの売場に立ち寄ったかの割合が立寄率となります。

したがって、売上は以下のように分解することができます。

売上=動線長×立寄率×売場当たり品目数×視認率×買上率×1種類当たり購入数×商品単価×客数

このように分解すると、売上高が増えた・減った理由は何なのか、あるいは売上を増やすためにどの項目を増やすべきなのかが見えてきます。
すなわち、事業計画を作りPDCAサイクルを回す際に、売上を計画し検証する際に、売上が計画と乖離していたというだけでは原因が分からず次につながりませんが、どの項目が計画と乖離していたのかを検証することで、次のアクションを明確にすることができます。

なお、客数についても分解することができますが、これは別の観点になりますので、ここでは割愛します。

是非、いろいろな物事を分解して考えてみましょう♪

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