人同士の競争に意味はあるか?「対人戦理論」 ワクワク経営コラム【第173回】

皆さま、こんにちは!
ワクワク経営ナビゲーターの古屋早雪です。

冒険の世界では、多くは「人間VS魔物」という構造になっているため、人間同士の争いはあまりありません。
まれに国同士の戦争などが起こることもありますが、冒険者はそれを止める役割であったりします。
ゲームでも、上記のような事情から「人(プレイヤー)同士の戦い」というものは(世界観にもよりますが)ないことが多いです。
やはり、人間同士の戦争は全体として見れば失うことが多いですし、奪い合うよりも協力し合うことが望ましいことは言うまでもありません。

しかしながら、フィクションの世界では人間同士の戦いというジャンルは根強い人気があります。
冒険の世界でも、コロシアムのような場所で人間同士が力を競い合い、優勝者を決める武術大会などは良く見られます。
もちろん、このような「ルールの中で」戦い、競うことは、ただの戦争とは違い意義のあることもあります。

1つは、その中から力のあるものを見つけ出すということです。
冒険の世界では、強い魔物に対抗できる力を持った冒険者を見つけるために、武術大会を開催して強者を集めるといった試みもおこなわれることがあります。
現実世界で言えば、戦いに限らず、様々な分野で大会やコンテストなどをおこなうことで、その分野で優れた人を見つけ出すことができるとともに、参加する側としても、「優勝できる分野」を見つけることができます。

2つ目は、切磋琢磨することで自らの力を伸ばすことができるということです。
決められたルールの中で、勝ち負けやランキングが決まることによって、もっと上位の成績を取りたいという心理が働きます。
そのような、競い合う相手を意識しながらお互いに力を磨く場というのは、非常に有意義なものです。
ただし、あくまで「任意参加」であることが条件です。
強制的に参加させられて競い合わせたとしても、北風のようになってしまい、上を目指そうというモチベーションにはつながりませんし、却って負の思い出を作ってしまうだけです。

3つ目は、娯楽としての意味合いです。
完全にルールづけられた中での競争は、参加するものにとっても見るものにとっても「楽しさ」があります。
これはスポーツやゲームと通じる部分があります。
あくまで、相手を陥れるのではなく、ゲームとして楽しんで勝負することはワクワク感の増幅につながります。

いずれにしても、お互いに傷つけ貶め合うような競争はあってはなりません。
職場内でも、従業員同士を競わせて業績を伸ばそうという考え方も見られますが、働き方やチームワークの観点からはあまりお勧めできません。
しかし、一定の条件内であれば、従業員同士が競う仕組みも有効な場合があります。

1つは、ルールが明確であるということです。
公平かつフェアなルールの中でおこなわれる競争であれば、人を貶め傷つけるということもありません。
上司の裁量や感覚で勝負を決めるような競争であってはいけません。

2つ目は、目的を明らかにすることです。
従業員としても、競い合わせてふるいにかけるような職場では安心感がありませんし、ワクワク職場にはなり得ません。
競争の仕組みによって、切磋琢磨してみんなで会社の目的を実現することを目指すということをあらかじめ説明しておく必要があります。

3つ目は、あくまでゲーム感覚で楽しむということです。
これは、「楽しむ」こと自体にも意味がありますが、それだけではなく、「あくまでただのゲーム」にすることに意味があります。
その勝敗によって、その人の評価の大部分が決まってしまうということになれば、どうしても勝敗にこだわり相手を陥れようという心理も生まれてきます。
その勝敗も「あくまでただのゲーム」にすることによって、普段の業務とは切り離しその場を楽しむ、あるいは自分との戦いに集中できるということがあります。
さらに、普段の業務と切り離すことによって、非日常の中で心身のリフレッシュとワクワクの増幅を図ることもできます!

是非、上手に「競争」を取り入れて、ワクワクを広げていきましょう♪

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