鏡がもたらす不思議な力とは?「鏡写し理論」 ワクワク経営コラム【第178回】

皆さま、こんにちは!
ワクワク経営ナビゲーターの古屋早雪です。

冒険の世界では、「鏡」というものが特別な意味を持つことがあります。
鏡は、光の反射を利用して自分や見えない場所にあるものなどの「像」を見るものですが、捉え方によっては鏡の中に「もう一つの世界」があるような感覚も生じます。
そのため、「鏡」が不思議な世界の入り口だったり、「鏡」に対象を写し出すことで様々な現象を引き起こしたりする神秘的なアイテムとして登場することも多いです。
鏡には様々な特性があり、それは現実にあるものを像として「写し出す」ということ、左右が反転しているということ、光を「反射」すること、そして写し出すことで現実と「像」であたかも2つ、もしくはそれ以上に「複製」されたように見える、ということです。

これらの特性は、経営においても重要な意味を持つ場合があります。

1つ目は、会計です。
会計は会社の状態を写し出す「鏡」であると言えます。
鏡を見て自分の現状を把握したり身だしなみを整えたりするように、会計情報を見て会社の実態を把握するとともに適宜対策を打つことが大切です。
また、予算と実績を「鏡写し」のようにして比較し、違いを明らかにすることでPDCAサイクルを回すことも重要です。

2つ目は、コーチングなどで使われる「ミラーリング」です。
相手と接する時、相手の動作に合わせ鏡のように同じ動作をすることで、緊張をほぐし話しやすい環境を作るというものです。
例えば、相手が水を飲むタイミングで、自分も水を飲むといったことです。
相手が自分と同じ動きをしていると、人は相手が「自分に近い存在」と無意識に捉え、安心感を抱くという性質を利用しています。
ただし、やりすぎたり露骨におこなうと、かえって警戒心を与えてしまい逆効果になることもありますので、あくまで自然な動きの範囲内でおこなうことが望ましいです。

3つ目は、データの「ミラーリング」です。
パソコンなどのデータをHDDなどの記録媒体に保存する際、同じデータを複数の記録媒体に同時に保存することで、常に同じデータが保存された記録媒体が複数存在する状態にすることです。
これにより、もし片方の記録媒体に不具合があっても、もう片方の記録媒体が残っているためデータの消失を防ぐことができます。
大切なデータが消失してしまうことは、業務の継続性を大きく損なうことになり、経営にもダメージを与えることがあります。
特に中小企業にとっては、データの流出よりも「消失」のほうが大きなリスクになる場合が多いです。
そのようなリスクに備え、データのバックアップを取っておくことが好ましいですが、こまめにバックアップを取るのは大変ですし、データが消失した場合どうしても最後にバックアップを取った時点まで戻ってしまいます。
そこで、「ミラーリング」しておけば、バックアップを取る手間も必要ありませんし、バックアップを取った時点までデータが巻き戻ってしまう心配もありません。
ただし、バックアップは大事なデータを間違って消してしまった、上書きしてしまったというリスクには対応できませんので、定期的なバックアップやバージョン管理も併せて活用することが望ましいと言えます。
以前は記録媒体が高価だったことや、データ書き込みスピードの問題でミラーリングには大きなコストがかかっていたこともありましたが、現在ではそういった問題も解決し、手軽にミラーリングをおこなうことができます。
また、クラウドストレージのDropboxなどを使えば、疑似的にデータをミラーリングすることができるとともに、バージョン管理にも対応していますので間違って上書きしてしまっても復旧することができます。

是非、「鏡写し」を上手に活用して、ワクワクする経営を推進しましょう♪

0

鏡がもたらす不思議な力とは?「鏡写し理論」 ワクワク経営コラム【第178回】 への1件のコメント

  1. ピンバック : 会計にはいろいろな意味がある!「数値計画」 ワクワク経営コラム【第190回】 | スノウコンサルティング

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

コメント

お名前 *

ウェブサイトURL

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)