その報酬はどうやって獲得する?「販売計画」 ワクワク経営コラム【第189回】

皆さま、こんにちは!
ワクワク経営ナビゲーターの古屋早雪です。

商品・サービス業務組織パートナーが決まったら、今度は商品・サービスをどのように販売するかを決めていきます。
これは、販売することで獲得する売上見込み額を算定することが目的であり、これはどのように利益を出すかの重要な基礎データとなります。
商品・サービス設計で、商品ラインナップを決めましたので、それぞれの商品がどれだけの数量売れるかが分かれば、売上見込み額が算定できます。

これは冒険の世界でいうと、経験値やお金などを稼ぐ際に「どのように稼ぐのか?」に該当します。
RPGでは魔物を倒すことで経験値やお金を手に入れることができることが多いですが、魔物を倒してもほとんどお金が手に入らない世界もあります。
また、経験値も魔物を倒すだけでなく、依頼の報酬として獲得したり、アイテムを使うことで手に入れられたりする場合もあります。
例えば、1日で経験値をどれだけ稼ぐかと考えたとき、1件につき5,000Pの経験値を得ることのできる依頼を3件受けることで15,000P、合わせて東の塔で1匹あたり200Pの経験値を得られる魔物を50匹倒すことで10,000Pの経験値を得て、合わせて25,000Pの経験値を得ようという具合です。
同じ方法ばかりだと飽きてしまいますし、依頼は効率は良いものの1日に受けられる件数が限られていたりするので、複数の方法を組み合わせて経験値を稼ぐことがしばしばあります。

現実の経営でも、商品Aは単価いくらで何個、商品Bは単価いくらで何個といった具合で内訳から合計売上額を算定します。
また、飲食店であれば、昼の部は客単価いくらで何人、夜の部は客単価いくらで何人といった内訳で考えることもあります。
サービス業などでは、単価がバラバラということがありますが、セグメントごとに「平均単価」を想定して、平均単価×件数で算出します。
これは、PDCA管理予算と実績の比較をする際、単価と件数に分解して比較するためです。
そして、それぞれの商品が「何個」売れるかについても、その根拠を考える必要があります。

商品は、作れば自然に売れるということはありません。
お客様がその商品のことを知り、買いたいと思った上で購入してもらわなければなりません。(参照:AIDMAの法則
そこで、販売するために「商品のことを知ってもらう活動」「商品に興味を持ってもらう活動」「商品を買いたいと思ってもらう活動」「商品の購入を促す活動」などが必要です。
これは、「商品をどのようにお客様に届けるか?」ということであるマーケティング戦略を、実際の活動に落とし込んだものだと言えます。
これらの活動には、「広告」や「人的販売」、「販売促進」などがあります。
「広告」は主に広告媒体を通して露出を増やし、知ってもらったり興味を持ってもらうこと、「人的販売」は営業員や販売員が見込みのお客様に商品を案内し購入を促すことですね。
「販売促進」は、例えばオマケをつけたり、キャンペーンを実施したりしてお客様が「購入したくなる」ようにする仕組みのことです。
企業の置かれた状況(知名度や立地など)のもとで、これらの販売活動をおこなうことで、どれだけ販売できるかを推測します。
その方法としては、同条件でどれだけ売れているかの事例から推測する方法があります。
店舗であれば、来店客数から「店内動線上での購買行動」により販売数量を算出します。

また、いくら売れるのかに関しては別の視点で考えることができます。
それはそもそも市場がどれくらいあるのか、ということです。
飲食店であれば、商圏内にターゲットが何人いて、そのうちの何%が月何回来てくれるのかといった想定ができます。
その際、商圏内の競合店についても考慮に入れる必要があります。
この市場に対して、適切な販売活動をおこなうことでシェアを獲得することにより、見込みの販売数を実現するということになります。

他には、見込み客を囲い込める場合、その中でどれだけ顧客になるか?という視点で考えることもできます。
この場合、見込み客が何人獲得できるか、見込み客のうち何%が商品を買ってくれるのかという両面で考える必要があります。

もう一つ、それだけの数量を提供可能か?ということも忘れてはいけません。
いくら欲しい人が100人いたとしても、100人分の数量を生産または調達できなければ、100人に対して販売することはできません。
その上で、それだけの生産や調達、販売活動をするために、どれだけの人員やパートナーが必要なのかという組織や仕入の計画も見直す必要があります。

これらの想定により販売数や単価を見込んでおくことで、計画と実績と比較しながらPDCAサイクルを回し、理想的な形に近づけていきます。

是非、様々な視点で「どのように販売するか」を考えてみましょう!

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