M&Aは大企業しか関係ない?中小企業のM&Aは身売り? ワクワク経営コラム【第212回】

こんにちは、ワクワク経営ナビゲーターで中小PMI支援マスターの古屋早雪です。

さて、皆さまM&Aというとどのようなイメージをお持ちでしょうか?

会社の株式を投資家や他の会社が買い占めて、経営権を奪ってしまう、あるいは経営に行き詰った経営者が会社を身売りする・・・

そして、M&Aは上場企業など大企業の話で、中小企業では関係ない・・・

そんなイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?

実は、私もそうでした(^-^;

確かに、ニュースで耳にする買収劇は多くが株式公開されている上場企業の話であり、敵対的買収などあまり良いイメージがないものもあります。

これには、M&Aをする際には企業評価や手続きに多額の費用がかかり、中小企業ではその費用をかけてまでM&Aをするメリットが多くない、という事情がありました。

しかし、近年では中小企業におけるM&Aが活発になっています!

その背景には何があるのでしょうか?

まず1つは、事業承継が困難な企業の増加です。

一昔前までは、中小企業といえば家族経営で、後継ぎは長男というイメージがありました。

しかしながら、中小企業の社長の子どもであっても親の家業は継ぎたくない、あるいはそもそも子どもがいないというケースも多くあります。

そのような場合、子ども以外の親族(甥や姪など)や従業員に承継させるケースもありますが、それも難しい場合、他社など外部の経営者に経営を引き継ぐというケースが出てきます。

2つ目に、多くの業界で人手不足が問題となっていることです。

受注の引き合いはあるのに従業員が足りず、仕事が受けられない・・・

主力だった幹部が定年退職してしまい、人員の補充ができない・・・

そのような場合、他社をまるごと買うことで従業員を引き入れるということが現実のニーズとして生まれているという事情があります。

そして3つ目は、中小企業のM&Aをサポートする環境が整ってきた、ということがあります。

上記のような事情を踏まえ、公的な機関としても埼玉県事業承継・引継ぎ支援センターなども設立され、また中小M&Aをマッチングする会社や支援するコンサルタントなども増えています。

これらの中小企業向けのサービスは、大企業向けと違い会社を「最大の価格で売る」「最小の価格で買う」ということに特化しているわけではありませんが、中小企業特有の事情に沿ったサポートが充実しています。

例えば、後継者がいないので他社に経営を譲渡したいと考えている経営者は、従業員の雇用を保証してほしいと考えることも多いでしょう。

以上のように、中小企業でもM&Aは活発化してきています。

しかし、M&Aをしたものの、その後の経営のかじ取りがうまくいかない・・・

そのようなケースも多く耳にします。

この原因は何でしょうか?

これについては、次回以降のコラムでご紹介しますので、お楽しみに!

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