皆さま、こんにちは!
ワクワク経営ナビゲーターの古屋早雪です。
冒険の途中、ある遺跡に貴重な聖剣が眠っているという情報を耳にしました。
遺跡に入るためには、扉の封印を解くオーブを100Gで買う必要があります。
遺跡では40%の確率で青い宝箱、それ以外の場合は赤い宝箱があり、どちらも銀のカギで開けることができます。
オーブは遺跡に入ると、銀のカギは宝箱を開けると壊れてしまいます。
宝箱の中には、聖剣か妖刀か、いずれかが入っています。
聖剣が入っている確率は、青い宝箱の場合は70%、赤い宝箱は30%です。
聖剣は500G、妖刀は100G、銀のカギは200Gの価値があります。
さて、あなたはこの遺跡に挑みますか?
なお、ここでは手間のコストは無視するものとします。
この意思決定をするには、まず青い宝箱の場合と、赤い宝箱の場合、それぞれの場合に得られる「利得の期待値」を知る必要があります。
青い宝箱の場合、70%の確率で500G、30%の確率で100Gの利得を得られるので、利得の期待値は500×0.7+100×0.3=380Gですが、宝箱を開けるために200Gのカギが必要になるので、差し引き180Gになります。
一方、赤い宝箱の場合、30%の確率で500G、70%の確率で100Gの利得を得られるので、利得の期待値は500×0.3+100×0.7=220Gですが、カギ代の200Gを引くと20Gになります。
青い宝箱がある確率は40%ですから、遺跡に挑んだ場合の利得の期待値は180×0.4+20×0.6=84Gです。
遺跡に入るには100Gのオーブが必要ですから、割りに合いませんね。
もしオーブの価格が50Gだとしたら、挑む価値があります。
この場合、聖剣を入手できる確率を先に計算し、カギ代を引くことでもっと簡単に計算することができます。
聖剣の入手確率は0.4×0.7+0.6×0.3=46%、妖刀の入手確率が54%ということで、利得の期待値は
500×0.46+100×0.54=284
となるため、カギ代の200Gを引くことで同じ結果になります。
しかし、赤い宝箱に聖剣が入っている確率が10%だったらどうでしょうか?
この場合、赤い宝箱の場合の利得の期待値は500×0.1+100×0.9=140Gとなり、カギを使うことを考慮するとマイナスになってしまいます。
したがって、赤い宝箱の場合は「カギを使わない」という判断をすることになるため、結果は変わってきます。
赤い宝箱の場合の利得は0ですから、遺跡に挑んで得られる利得の期待値は72Gとなります。
このとき、聖剣の入手確率を先に計算する方法だと、聖剣の入手確率は34%、利得の期待値は236G、カギ代を引くと36Gとなるため、オーブが50Gだとすると結果が変わってきます。
このように、意思決定のタイミングが複数ある場合は、段階的に期待値を計算する必要があります。
この段階を表すのに、ツリー状の図を書くと分かりやすいのですが、このツリーをデシジョンツリーといいます。
経営においても、例えば研究開発をおこなうかどうかといった意思決定をする際に使うことがあります。
不確定な前提をもとに意思決定する場合は、デシジョンツリーを使って正しく意思決定しましょう♪